目がチカチカする!?閃輝暗点の原因って?放置するとよくない?症状や予防も解説

閃輝暗点って?

閃輝暗点(せんきあんてん)とは、突然、目がチカチカ・ギラギラしたり、視界にギザギザした光や模様が見える現象で、「光視症」と呼ばれるものの一種です。

突然見え方がおかしくなりますが、長くても20分〜30分程度で程度で消えていき、症状が治まった後に片頭痛が起こることがあります。

若い方の場合、閃輝暗点後に頭痛が起こることがほとんどですが、年齢を重ねるとともに軽くなっていき、50代を超えると頭痛はほとんどないと言われています。

眼科としては、閃輝暗点だと思ったら実は網膜裂孔網膜剥離の始まりだった、という可能性があるのが怖いです。

そのため、当院では眼底検査など目の精密検査をお勧めしています。

以下では、動画で詳しく説明しています。ぜひ合わせて御覧ください。

 

閃輝暗点の自覚症状

閃輝暗点の見え方

※閃輝暗点の視界の一例(個人差があります)

突然、視界に稲妻のようなギザギザした光(模様)が見えます。

この「ギラギラした光(模様)」の感じ方は人によって様々で、光がピカピカ、チカチカ、キラキラなどと表現される方もおられます。

また、光が見える前に、視野の一部がかげろうのようにゆらゆら動き出したり、その光が四方に広がりその内部が真っ暗(視野欠損)になったりすることもあるとされています。

症状が出ている部分の見え方が悪くなることもあるため、閃輝暗点を初めて経験した方は不安になられる場合もあると思います。

一般的に、この症状は30分以内で消えますが、このあと片頭痛(偏頭痛)を伴うことが多く、立ちくらみ、吐き気、嘔吐などの症状を起こす場合もあります。

頭痛

閃輝暗点の症状は、時々繰り返し、症状が出る頻度は個人差があり、月に数回~年に数回程度など人によって様々です。

注意が必要な点として、頭痛を伴わない場合もありますので、「閃輝暗点=頭痛が起こる」とは限りません。

10代、20代の方の場合、頭痛はほぼ必発ですが、30歳を超えると頭痛が現れないことも多くあります。50歳を超えると頭痛が出ることはほとんどありません。

 

閃輝暗点の原因

脳

物を見る中枢(視覚野)が脳の後ろにあるのですが、その部分の血液の流れが一時的に変化(収縮・拡張)して起こるとされています。

閃輝暗点は視界に異常を生じるので、目の異常だと思われがちですが、眼球の異常ではなく、「脳の異常」です。

通常、症状は一過性のため、症状が治まると脳の状態も正常に戻ると言われています。

 

閃輝暗点との鑑別疾患

網膜裂孔、網膜剥離

閃輝暗点かと思ったら、実は「網膜疾患の前兆だった」という可能性もあります。

網膜剥離

そのため眼科を受診して頂いた際には、

網膜裂孔(網膜に穴が開いている)
網膜剝離(網膜が剝がれている)

などの目の病気(異常)がないかを精査するために、眼底をチェックします。

 

頭蓋内病変

他にも、閃輝暗点を繰り返す場合などは脳の病気がないか精査する場合もあります。

頭蓋内疾患(脳梗塞や脳腫瘍、脳循環障害など)

この場合、MRI検査・CT検査の精密検査をご提案させて頂く場合があります。

なお、動脈硬化などの持病があるからといって、閃輝暗点が起こりやすいということはありません。

 

閃輝暗点のセルフチェック

閃輝暗点のような症状が現れた場合、以下を知っておいていただくと良いと思います。

閃輝暗点(脳に原因がある)場合
通常両目に(右目でも左目でも)症状が起こる
眼に原因がある場合
片目のみでも症状が起こることがある
セルフチェックとして、発生している最中に左右の眼を片方ずつ隠し、どちらか片方にしか異変がない場合、網膜疾患の可能性があります。
 
ただし、両目に症状があったとしても、閃輝暗点が頻発する場合はやはり頭蓋内病変の可能性があります。
 
そのため、「初めて症状が出た場合」や「頻繁に症状を繰り返す場合」には放置せずに、なるべく早めに受診するようにしましょう。
 
 
両目に症状がある場合は脳神経外科/神経内科へ
片目に症状がある場合は眼科へ
 

 

閃輝暗点と生活習慣

閃輝暗点が起こる原因には、ストレスや疲労、食べ物などの「生活習慣」が関係していることがあります。

心当たりのある方は、それらを改善して頂くことで症状の改善・予防につながります。

 

閃輝暗点とストレス

ストレスが原因の場合は、「ストレス因子からの解放」がきっかけとなりますので、仕事が終わった後や休日に起こりやすいです。

また、疲労が原因で症状が出ることもあります。

忙しい毎日を過ごされている方も多いと思いますが、リラックスできる時間を作ったり、しっかり睡眠時間を確保したりするよう心がけて頂くことが大切です。

また、血流が滞るのを防ぐため、定期的に肩や首、肩甲骨まわりとをゆっくり回すなど、無理のない範囲で適度なストレッチを行うこともおすすめです。

 

閃輝暗点と食生活

食べ物に関しては、

・チョコレート、ピーナッツの摂取
・アルコール摂取
・コーヒーなどに含まれるカフェイン摂取

などが原因になることがあると言われています。

また、片頭痛の予防に効果的な栄養素はマグネシウムやビタミンB2です。

マグネシウム:大豆製品、魚介類、海藻、玄米など
ビタミンB2:魚や卵、乳製品、納豆、緑黄色野菜など

閃輝暗点は一度症状が出てしまうと、定期的に発生することが多いので、こういった生活習慣に心当たりのある方は早めに改善するようにしましょう。

いずれにしても閃輝暗点が起こる原因は様々ですので、自分1人で考え込まずに、少しでも気になることがあれば、早めに病院を受診して医師に相談するようにして下さい。

     

初めての場合は受診を

経堂こうづき眼科院長

繰り返しますが、閃輝暗点の症状が「初めて出た場合」や「頻繁に繰り返す場合」は受診するようにして下さい。

網膜疾患の可能性がないか、眼科では散瞳の上で眼底検査を行います。

また、閃輝暗点の症状を頻繁に繰り返す場合などでは、頭蓋内疾患(脳梗塞や脳腫瘍、脳循環障害など)を除外する目的で、MRI検査・CT検査の精密検査をご提案させて頂く場合があります。

その場合、経堂こうづき眼科では隣接するメディカルスキャニング経堂にMRI検査・CT検査目的で紹介させていただくことが多いです。(メディカルスキャニング経堂は紹介がないと検査ができないクリニックとなりますのでお気をつけください)

 

閃輝暗点の治療法

今のところ閃輝暗点そのものを改善させる治療法はないため、基本的には対症療法を行っていくことになります。

予防的な飲み薬を用いたり、最近は注射の治療も始まっています。

閃輝暗点の症状が出た後に、頭痛や吐き気などの症状がある場合は、安静にしてもらう、薬で様子をみてもらうなどし、生活習慣が原因となっている可能性がある場合には生活習慣の改善をして頂きます。

網膜疾患の前兆であったり、頭蓋内疾患(脳梗塞や脳腫瘍、脳循環障害など)が原因で閃輝暗点の症状が出ていることもありますので、自分で判断・放置せずに、「初めて症状が出た場合」や「頻繁に症状を繰り返す場合」には早めに受診するようにしましょう。

経堂こうづき眼科の近隣内科について

閃輝暗点の症状があり、脳に原因がある可能性が高い場合は近隣の臼井内科さんをご案内しています。

臼井内科(内科/神経内科)
〒156-0053 東京都世田谷区桜1丁目65−8 Emblem経堂
Tel: 03-5426-8811

以下では、動画で詳しく説明しています。ぜひ合わせて御覧ください。