眼球に注射!?痛いの?硝子体注射の効果、種類、費用、副作用、治療法を徹底解説

硝子体注射 糖尿病網膜症

目の疾患による視力低下に対して注目を集める治療法の一つが「硝子体注射」です。糖尿病網膜症や加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症など、さまざまな目の病気に対する効果的な治療法として広く認知されています。特に、視力が急激に低下してしまった方々にとって、硝子体注射は希望の光となることが多い治療方法です。

この記事では、硝子体注射の効果や種類、治療の流れ、さらには費用や副作用について詳しく解説します。視力の回復を望む方々にとって、治療法の選択肢としてこの注射を受けるかどうかの判断に役立つ情報をお届けします。

下記のYouTube動画では、年間3万人以上を診察する眼科専門医の上月が対談形式で、硝子体注射に関する最新の治療法をわかりやすく説明しています。治療に対する理解を深めるために、ぜひ合わせてご覧ください。

硝子体注射とは

硝子体注射は、目の中の硝子体に薬剤を直接注入する治療法です。この治療は、いくつかの眼疾患に対して使用され、特に糖尿病網膜症や加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症などの病気に効果的です。

硝子体注射が対象となる疾患

硝子体注射は、以下の疾患に対して使用されます。

  • 糖尿病網膜症
  • 加齢黄斑変性
  • 網膜静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症
  • 強度近視による脈絡膜神性血管
  • 未熟児網膜症

これらの病気では、目の中で異常な血管が形成され、視力に大きな影響を与えることがあります。硝子体注射は、これらの病気の進行を抑えるために使用されます。

この中でも未熟児網膜症は先天性のものですので、これ以外についてお話します。

硝子体注射の種類

硝子体注射にはいくつかの薬剤がありますが、最もよく使用されるのは「アイリーア」と「ルセンティス」、またはルセンティスの後発品である「バイオシミラー」です。最近では、アイリーアの高濃度版も登場しています。

その他にも、ベオビュ、バビースモ、アバスチン、マクジェンなど、さまざまな薬剤があります。

アイリーアとルセンティスの違い

  • アイリーアは、効果が高く、副作用が少ないとされています。これが主に使用される薬剤です。アイリーアは2012年ごろから出た薬剤ですが、現在も第一線で使用されています。最近、アイリーアの高濃度が発売されました。
  • ルセンティスは、アイリーアよりも更に前に開発されており、アイリーアと比較して効果がやや低いとされており、再発のリスクが高い薬剤です。ただし、全身的な副作用はルセンティスのほうが少ないとされています。(ルセンティスのメーカーは、ルセンティスのほうがより合併症や脳梗塞を引き起こしにくいと報告しています)ただし、臨床に携わる医師として、データ上はあまり変わっていないようにも感じられます。
  • アイリーアの高濃度は糖尿病網膜症と加齢黄斑変性の治療にのみ承認が降りています(2024年11月現在)

基本的には通常のアイリーアなどで十分効果が出ますが、再発を繰り返す方に対しては高濃度のアイリーアやバビースモは良い選択肢と言えます。

硝子体注射の効果

硝子体注射の効果は非常に高いとされており、特に視力低下が進行している患者にとっては、注射後に視力の改善を実感できることがよくあります。

例えば、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などでは網膜に血液がうまくいかなくなり、血管が詰まった結果、網膜の端に栄養や酸素がいかなくなり「VEGF」と呼ばれるものが発生し、むくみ(黄斑浮腫)になります。

硝子体注射ではこのVEGFを抑える「抗VEGF」を目の中に直接注射します。

これによって翌日には黄斑浮腫がかなり引くため、視力が悪くなっていても翌日にはよく見える方も多いです。

しかし、効果は一時的であり、再発することもあります。そのため、定期的に注射を受けることが推奨されることがあります。

硝子体注射の治療スケジュール

治療スケジュールは疾患によって異なりますが、一般的には3ヶ月ごとに注射を行い、症状に応じてその間隔を延ばすこともあります。

例えば、加齢黄斑変性の患者には、初めに3回連続で注射を行い、その後は定期的に間隔を空けて注射を行います。

その後の定期的な打ち方については色々とあり、例えば「Treat&Extend」という方法では4回めは2ヵ月後、5回めは3ヵ月後、と徐々に打つ期間を伸ばしていきます。

その他にもPRNという症状が出た際に注射を行う両方もあります。原因や症状によって打ち方を考えていきます。

硝子体注射を打つ際の痛みについて

目に注射を打つというと痛い・怖いと思われる方も多いかと思いますが、実際には目薬での麻酔を行った上で、非常に細い針を使用するため「チクッとした」「何も感じなかった」という感想がほとんどです。

また、針を刺すことを怖いと感じられる方もいるとは思いますが、視線を下に向けた状態で注射を行うため、視界には入りません。

硝子体注射の費用

硝子体注射は高額な治療です。

1回の注射にかかる費用はおおよそ15万円程度で、患者は3割負担で約5万円、1割負担の人は1万5000円程度となります。

ただし、高額療養費制度を利用すれば、さらに負担が軽減されることもあります。

硝子体注射の副作用とリスク

硝子体注射には副作用やリスクもあります。最も懸念されるのは「感染症」で、注射後に感染が発生することがあります。ただし、針が非常に細いため感染のリスクは低く、感染症が発生する確率は非常に少ないです。

その他に、脳梗塞や心筋梗塞、血管のつまりに伴う病気を起こす可能性があると言われています。そのため、半年以内に脳梗塞を起こしている方には一般的には硝子体注射の治療は行いません。

また、注射後には一時的に結膜下出血が起こることがありますが、これは通常1週間以内に自然に回復します。白目がかなり真っ赤になるので驚かれる方もいらっしゃいますが、見た目以外は全く問題ありませんのでご安心下さい。

結論

硝子体注射は、高い効果を持つ治療法であり、特に視力の改善が期待されます。しかし、その効果は一時的であり、再発する可能性があるため、定期的な注射が必要となることがあります。治療を受ける際は、費用や副作用のリスクを考慮し、医師とよく相談した上で治療方針を決定することが重要です。

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この記事の監修

経堂こうづき眼科院長
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