中心性漿液性脈絡網膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう)とは、網膜の中心部(黄斑)に水が溜まって浮腫むことで、部分的な網膜剥離が起きて、視力が悪くなったり、ものが歪んで見えたり、視界の中心が見えにくくなったりする病気です。
30代〜50代の働き盛りの方、特に男性に多く発症します。片目に発症することが多いですが、両目に発症することもあります。
一般的に経過は良好で、3〜6ヶ月で自然に治ることが多いです。以前は中心性網膜炎と呼ばれていました。
原因は不明ですが、心身のストレスや、副腎皮質ステロイドの副作用が誘引で起こることがあります。
原因は不明ですが、心身のストレスや、副腎皮質ステロイドの副作用が誘引で起こることがあります。
黄斑のむくみにより黄斑部分の網膜細胞の機能が低下し、視界の中央部分が周辺に比べて暗く感じられることがあります。
黄斑のむくみによりものが歪んで見えることがあります。
黄斑のむくみによりものが小さく見えることがあります。
黄斑が浮腫むことで、水ぶくれの分だけ網膜の位置が前に移動し、軽い遠視になることがあります。
以上の症状は黄斑部以外の病気や、視神経の病気により起こることもあります。そのため、検査によってそれらの病気と区別する必要があります。
当院では散瞳による眼底検査や、黄斑部を光干渉断層撮影(OCT)による検査を行います。
中心性漿液性脈絡網膜症はほとんどの場合良好な経過をたどります。心身の安静と適切な治療により、3〜6ヶ月で自然に治ることが多いです。しかし、なかには慢性化したり、再発を繰り返す場合があり、網膜の機能が障害されて視力がよくならないこともあります。
治療法としては以下のようなものがあります。
目の奥のむくみを取ったり、網膜の機能を良くする目的でレーザー治療を行うことがあります。しかし、レーザーを照射した部分は網膜の働きが失われるため、視界の一部分が欠けることになります。むくみの場所によっては、視力低下につながって逆に見えにくくなる場合もあります。そのため、手術前には詳しい検査を行い、治療の適応を慎重に判断する必要があります。